修行時代
このままじゃ人生おもしろくない。何かがしたい!自分で何かをやりたい!
その何かがずっとわからずくすぶっていた20代前半。
22歳にようやく答えが見つかり、縁もあり『修行』に入るも、弟子入りしたものの、思っていた以上に、あまいものではなく、一年経っても技術を教えてもらえるどころか、下仕事ばかりの毎日でした。
大工というのは、刃物の手入れからはじまり、解体作業や足場を組んだり、高所での作業、和室のような細かい高度な技術を要する仕事など、身につけなければならない分野の広い仕事で、『棟梁』までの道のりは遠く、遥か彼方のよう感じていました。
修業時代は弟子という立場上、危険で大変な仕事にも関わらず給料もそれほどでもなくお金の面でも我慢が必要な現実もありました。(今思えば、かなり厳しかったなぁ~)
もちろん怪我もつきもので、大きなケガをして情けない思いも幾度となく経験しました。
しかしそれらを乗り越えてることで、精神力もつき、常に技術を追及することをおぼえ、向上心も旺盛になり、教わるだけではなく、自分自身で深く追及するようになり、あんな事も勉強しなければ、こんな事も勉強したい!という思いに変わっていきました。
「仕事をしながら資格を取得するという事は、こんなに大変なんだ・・・」と実感しながら、「未来の自分は独立して棟梁になっている」という未来を頭に思い浮かべ、がんばってきました。
そんな思いでやっているうちに、これまでももちろんいい家を建てているけれど、下請け仕事でいわれるままに仕事をすること、家を建てるということが物足りなく感じてきて、自分ならここはこうする、こんなデザインに施工したいとか、さらにもっとお施主様の要望を細かく聞いて、御主人はこういう感じが好みだが、奥様はどうなんだろうかといった風に考えるようになり、独立して自分の設計でお施主様の思い描いている家を『愛情』と『魂』を込めて建てたいと思うようになりました。